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パチモン怪獣大熱戦:第4話「おいらドイラー火群の決闘」

山のふもとへと続く、長細い道を、こげ茶色の自転車が駆け抜けた。

「はっ、はっ」

自転車を駆るのはセーラー服の少女。前籠にはたくさんのおむすび。

彼女は汗を光らせながら、坂道を上がっていった。



「おつかれさん、ドイラー。明日も頼む、な」

石切り場の作業員が、上を見上げて言う。
そこにいるのは紫色の怪獣だ。

ドイラーと呼ばれた怪獣は、軽く頭を下げると、
海に沈んでいく夕日に背を向けて、山のふもとへひとっとび。


ドイラーが洞穴の前に着地してしばらく、少女の自転車が怪獣の目前に現れた。

「ごめんドイラー!お腹減ってるでしょ?」

少女が自転車を降りてすぐ、おむすびを持って、上に掲げる。
ドイラーはおむすびを、角で器用に突き上げ、空中で飲み込んで見せた。

「今日はこれだけなんだけど・・・我慢してくれる?」
籠いっぱいのおむすびを見せて彼女は言った。
確かにこれでは、怪獣の体の比率と比べるとまったく少ない。


「・・・おいしい」

「どうしたの?ドイラー」
頭上の怪獣がうなったので少女は問う。

二人の意思の疎通は、出来ていないと言っても過言ではなかった。

人間には怪獣の言葉は分からないし、怪獣に人語は解せない。
その上、地上にいるだけでも頭の高さがまったく違うわけだから、聞こえるかどうかも曖昧だ。

だから彼女はいつも声を大にして話かけていたし、
ドイラーも、自分の食料は光合成でまかなえることを伝えることは出来なかった。


それでも二人は毎日、こうして朝まで過ごすのだ。

少女・道香にはもちろん家があるし、昼間は学校に通わなければならない。
その忙しい上で、山のふもとの怪獣の元に毎日通うのだから、かなりの重労働だと言える。

一方のドイラーも、洞穴に家を構え、昼間は人間の元で力仕事に励み、
それ以外の時には大人しくここで待っていなければ、この町では暮らしていけなかった。


それでも二人はここに居た。

お互いがお互いにとって奇妙な存在であり、生活の一部であり、心のよりどころなのだ。

理由も分からないまま、二人は共に時間を過ごすことが多かった。これはちょうど3年前位に始まった事だ。


ドイラーが洞穴に入り、屈むと、道香はそれに寄り添った。

「・・・ドイラーって、疲れることあるの?・・・あたしは、すんごい疲れた」
怪獣の尻尾に背中をつけ、ドイラーの背中に触れた。

「・・・・・・」
聞こえてもやはり言葉が分からなければ会話は成り立たない。
ドイラーは返事の代わりに静かに唸る。

「今日はもう暗いし、遊べそうにないよね・・・おやすみ、ドイラー・・・」
がっかりそうに道香が言った。

彼女の言う遊びとは、人間の子供がする簡単なものから、二人の独自の遊びとか、様々なものがあった。

それをどう伝えるか、というか、ドイラーと人間の間の意思疎通は、ジェスチャーを用いるのがほとんどだった。
そのおかげでドイラーも人間との仕事が成り立っているわけで、彼女との遊びやジェスチャー会話が無ければ、
今のドイラーの暮らしは無かっただろう。
話は通じないとはいえ、自分を指差して名前を叫ばれたのだから、ミチカという名くらい分かる。

ドイラーが角を光らせて、辺りを照らす。
大体、こういうときは遊びについて言っていると見当はつくから、明るくすればいつでも遊べるのだ。

しかし道香がしゃべらなくなり、皮膚に静かな寝息を感じ取ると、
ドイラーは明かりを消して、共に眠りについた。


早朝、強い日差しを受けて、道香が飛び起きる。
こちらを覗きこんでいたドイラーが、角の光を消した。
ドイラーは今日も目覚まし時計の役割を果たした。これも例によってジェスチャーで習得したものだ。

「あ、やばい、かも。・・・ドイラー、今日こそ早めに来るから!」
道香が自転車に飛び乗り、坂道を下っていく。

ドイラーには彼女が急ぐ理由は分かっていないが、とにかく大変なのだなと感じた。
時計の見かたは教わっているから、自分はあと三時間後に石切り場へ行かなければ。




ドイラーが石切り場に着いた頃、そこには人っ子一人いなかった。
こんなことは今までで初めてだ。

奇妙な臭いが流れ込んできた。
かなりの濃度のガスだ。
ドイラーが辺りを見渡すと、町の中心で立ち上る黒煙と激しい爆発が見えた。


その爆発を、道香は学校の窓から見ていた。

ほんの数分前に、海から怪獣が上がってきたというのだ。
その連絡が届いた瞬間に起きた爆発であった。

生徒達が混乱し、皆散り散りに逃げていく。
道香も急いで校舎を後にするが、逃げる方向は皆と違っていた。

早くドイラーに知らせなきゃ。


自転車で、だだっぴろい大通りの道路を駆け抜ける。
この道にももうガス臭が漂っていたが、構っている暇はない。
建物の隙間から、黄色い怪獣の姿が見えた。
あれが、ガスを撒いてる?

そう思った矢先、隙間を作っていた建物が、倒壊する。
怪獣がなにか投げたのだ。爆発で障害物が消え、怪獣の姿が丸見えになった。


そして道香と黄色い怪獣の目が合った。


「ドイラー以外の怪獣って初めて見た・・・・・・ひっ!」

怪獣がなにか巨大なものを持ち上げたのが見えた。

「・・・・・・車!?」


それが道香に向けて投げられた時、
巨大な車は両断され、爆発を起こした。

「なにー!?」

吹き飛んだ道香と自転車を何かが受け止める。

ドイラーだ。


「ドイラー!来てくれたのね!」
道香が言うと、ドイラーは離れるようジェスチャーして返した。

それを見て黄色い怪獣も、道路の真ん中へと出てきて、ドイラーの前に立ちはだかる。



「テメーがドイラーか?」


「拙者がドイラーだ」


そして水陸両用車が大通りを駆け抜ける。


「・・・さあ!遂に予選最終戦となります!「パチワン」グランプリ第四戦!!
 実況はいつものようにワタクシ、邪魔田 怒毛男がお送りしますッ!!
 本日の演目は、光熱怪獣ドイラー 対 毒ガス怪獣ヒムラー!準決勝最後の枠はどちらの手にッ!?」


「うるせージジイ!」
ヒムラーの投げた車が水陸両用者を潰して爆発した。


「この町を壊すのはやめろ・・・」
ドイラーが言い、ヒムラーに角を向ける。

「どうやらオメーのようだな、人間に頼りっきりのパチモン怪獣ってのは!」
ヒムラーも巨大な車を構えた。


「何とでも言え。拙者はこの町の為に・・・命を懸けてお前を斬る!」

「ヤル気満々でこっちも安心だぜ、逃げっぱなしのナヨナヨ野郎じゃなくてな!!」


どっかでトーボーズがくしゃみをしたのとほぼ同時、ヒムラーは巨大な車を空にばら撒く。
ドイラーは瞬時に、角の先に光の刃を生成すると、車を一刀の元に切り捨てた。

しかしそれによって起こる爆発は、ドイラーが思っているよりずっと強力だった。
ヒムラーが体中から、引火性の高いガスを撒いているのだ。

ドイラーが吹っ飛び、背後の宿泊施設に衝突する。


「怪獣ってのは町を壊すものなんだよ、まして本物の怪獣になんなら、破壊のプロでなきゃなぁ!」
ヒムラーはまだ爆弾を撒き続けていた。

対してドイラーは、口から太陽光線を吐くと、ヒムラーの皮膚を焼いた。

「おぬしにとっての本物とはそういうものか、だが怪獣が破壊できなければ・・・」

踏み出したドイラーが接近、光の刃を瞬時にヒムラーの首に当てた。

「それ以上にはなれまい・・・?」


だがヒムラーは表情を変えなかった。

「ミネウチってヤツか・・・・・・クソが。その程度でこのオレが怖気づくとでも思ったのか?
 毎日人間どもの軍隊と戦ってるこっちとしちゃあ、この程度のピンチは慣れっこなんだよッ!」

巨大な車が振り下ろされ、ドイラーが頭から押し倒された。

そして再び大爆発が起こり、ドイラーの体が道路を滑り、背ビレで長い亀裂を入れた。


「サムライってのは容赦なく相手を切り捨てるもんじゃねーのか?えー?怖がってんのはテメーなんだろ!」

横たわるドイラーの周りで、ばら撒かれた車が次々に爆発を起こす。

(こやつ・・・・・・拙者を自分から遠ざけようとしているのか・・・?)

吹っ飛んだドイラーが思った時、ヒムラーは既に次の爆弾を撒いていた。

そして間髪をいれずに次の爆発が始まる。

道香の学校も吹き飛び、辺り一面が炎上していた。


(・・・ミチカは・・・・・・逃げ切ったか・・・・・・?)

そんな心配がよぎったが、今は迷いを捨てなければならない。


「サムライってのはヒトタチでケリをつけるもんなんだろ!?
 さっさとケリつけねーと、全部燃えカスにしちまうぞ!?」

ヒムラーは刺激を求める本能のままに、ドイラーを急かした。


(ならば・・・・・・)

迷いを捨てたドイラーの背鰭に、光の粒が集まっていく。
彼の集中が増すごとにそれは輝きを増し、鰭は連なる光の剣へと変化した。

「今だ!!」

ドイラーが猛進する。
ヒムラーも渾身の一撃を放った。

それは同時ではなかった。

光速を思わせる速さでヒムラーとすれ違ったドイラーは、既に彼の後ろへと回っていた。

ヒムラーが攻撃したとき、手ごたえはなく、彼の体は動かなくなっていた。


「なんだ、テメ・・・・・・」

炎の中で、ヒムラーは力なくしりもちをつく。

「神経切断。これが拙者のミネウチだ」

ドイラーの光の刃が消え、その瞳がヒムラーを見下ろす。
彼の瞳には、怒りの色さえも見えなかった。

「・・・・・・それの・・・どこが・・・ミネウチ・・・だよ・・・」

ヒムラーは意識を失い、すっかりのびた。


「・・・熱いッ!燃え上がっておりますッ!ワタクシの頭がッ!
 水ッ!水ッ!ひぎいいいいいいい・・・あ、ドイラーさんの勝利ですね、分かりました」
オッサンは海へと去っていった。



それからドイラーは夜通し消火活動を手伝い、朝を迎えた。

目覚めた彼の前にいたのは、道香だった。

「お疲れ様・・・・・・ありがとう、ドイラー」

彼女の掲げるおむすびを、ドイラーは一口で平らげる。

「おいしい」

いつもと同じ唸り声だが、道香には、満足しているのが伝わってきた気がした。

ドイラーは、自分にはきっとこの為に口がついているのだろうと思った。


(しかし、この騒ぎが、拙者がパチワンに申請したから起こったなんて、とても言えないな・・・)


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