こぜに vs MUGEN

こぜにのMUGEN関係のブログ きっとずっとグダグダ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

パチモン怪獣大熱戦:最終話「パチモン怪獣大熱戦」

トーボーズ、ラコ、ダイゴラス、サイハタリ、キュラドロス、ドイラー、ヒムラーら七体のパチモンは、
主催者Ms.H改め水素獣エッチの足にしがみついて、彼女?の言う「天国」へと向かっていた。


「・・・くそっ、酸素が薄くなって・・・」
トーボーズが言いかける。

「そーよ。この領域は水素で満たされているのだから」
水素獣が言うと、天にあいた穴を通り、急に視界が明るくなった。

そこに見えたのは、広大な敷地に透き通った宮殿が乗っかった、第二の大地であった。


「アタシのマイホームへようこそ」

宮殿の前で着地したエッチは、足についたパチモンを振り飛ばし、指に挟んだ人間たちを宮殿の入り口に放った。


「なんなのだ、これは・・・」
初めて見た奇妙な空間の存在に、博士が呟いた。


「人間って死んだら天国に昇るって思ってるんでしょ?可哀そうだからアタシが本当に天国を作ってあげたのよ。
 メタ的な話をすると、ここは全てが、最も軽い水素で構成されてて、浮かす推進力にも水素を使ってるのネ。
 だからここを作るのにも保つのにも、水素獣のアタシでさえ苦労してるんだわ」

べらべらと言っている間にも、人間たちは逃げようとしていた。
その目の前に巨大な足が落ちる。

「天国に来た人間はあなたたちだけなのよ。もう少し遊んでいったら?」

「聞こえるなら答えてくれ。なぜお前が俺たちを?」
海原は約1km上の頭に向かって問う。

「あら?なかなかのイケメン君じゃない・・・でもアタシ、自分より背が高い人じゃないと付き合えないからー」

「聞こえてないのか・・・」

「分かったわ答えてアゲル。
 ・・・アタシがこのマイホームとアタシ自身の極限の美を保つ為には、膨大な水素が必要なのよネ。
 ヘドロちゃんたちの培養にも敷地が必要だから、随分と手を焼いたし。
 それで、本物の怪獣ってのは普通、確固たる設定を持ってその上で能力を自由に発揮できるでしょ?
 だからアタシ、パチモンなんて軟派なモンじゃなくて、より強力な本物の怪獣に昇華したいのよ!
 ・・・そうじゃないと何も出来ないのと同じじゃない?・・・アナタたちもそう思わなくって?」

水素獣はその問いを背後のパチモンたちに投げかけた。

「そうだな・・・」
トーボーズが言った。

「確かにパチモンってのはただの偽物で・・・」
ラコも呟く。

「ボクラ ニ デキルコト ハ アバレル コト クライダ・・・」
ダイゴラスが体を起こしつつ言う。

「ママン、たしかにおいらたちは本物より弱い、だけど」
キュラドロスが体を吐き出して言った。

「・・・無力だと思ったことは、一度も無い!」
ドイラーが立ち上がり、角から光の刀を伸ばす。

「クソが・・・」
ヒムラーも頭上の巨大な顔にガンを飛ばした。

「ウオオオオオオオオオン!!!」
突如鳴き声が響いて、エッチの足元に巨大な古代魚が姿を現す。

ブロマイドを投げた海原たちは、素早く宮殿に退く。



「アナタたち、力は欲しいけど、不満に思ったことは無いんだ・・・へぇ。
 イイわね。面白くなってきたわ。今からアナタたちに、力の差がどんなに重大か教えてアゲルわ!」

水素獣が足元の8体のパチモンに言い放つ。と同時に、口から無数の奇妙な球体を吐き出す。
それはふわふわと舞った後、急激に襲いかかり、ポン、と音を立てて爆発した。

その軽い音の割にパチモンたちはよく吹き飛び、それぞれ叩きつけられた。


「なんだあ、今の・・・」
おじけづいたトーボーズが言う。

「解説するわ。アタシの水素弾は酸素と結合したくてうずうずしちゃってるわ。
 で、今アナタたちを取り囲んでる地上の酸素に吸い付いて、ポーンといっちゃうワケ」

「つ、ツッコミどころ満載だ・・・」
「火はどうした、火は」
海原と博士が思わず言うと水素獣は振り向いてウインクした。

「そうね、それが出来るのがパチモンの強み、ってトコかしら!」
また吐き出された水素弾が、人間たちに向かい、水浸しにした。

「まさかこの年で水遊びする事になるとはな」
元首相を筆頭に、人間チームが宮殿に駆け込んでいく。


水素獣はその様子を見届けると向き返ろうとした。
「さてと、これで思う存分戦えるんじゃなぁい?」

だが振り返った先には、キュラドロスに持ち上げられたドイラーの切先が、鼻先についていた。

「残念だったな、水素獣エッチ・・・何事ももうこれ以上、おぬしの思い通りにはならぬ」

その言葉を聞いたエッチはホホホと笑った。

「残念なのはアナタたちよ。本物の怪獣にしてもらえるなんて、本当に信じてたなんて!!」

「ああ、本当に情けねえよ俺。こんな奴にダマされるなんて」
「あんたが主催者だって知ってたら信じなかったよ?」
「クソが・・・」
下の方で声がした。

「それどーゆー意味よ!あとさっきからクソクソ言ってるの誰よ!」

「クソが・・・」
ヒムラーが言いながらエッチの足の上に鼻くその山を作っていた。


「きぃーーっ!」
エッチの目の色が変わったのを見てドイラーは目を見開いた。
奴の鰭が振動している、しかも光を放って。
あの技は!

エッチの頭の側面から巨大な光の刃が飛び出していた。
そして気づいたドイラーが一太刀浴びせる前に、それはドイラーたちに斬撃を食らわせていた。

「!!」
打ち落とされた、ドイラーとキュラドロスが見上げる。


「そそ、気づいてなかったみたいだけど、アナタたちは今、この水素フィールドを通して、
 アタシと繋がっている。だからここに居る限り、アタシはアナタたちのエネルギーを、その能力を、
 ずっとチューチューできるわけ!」
水素獣が高笑いした。

「貴様!」
ドイラーが光の刃を出そうとする。が、その光は地上にいるときよりも弱いものになっていた。

「奴は水素フィールドに引き込むために俺たちをここに・・・」
ラコが言っている間に、トーボーズは走り出していた。


「だったらこいつはどうかな?さすがに体重までは吸い取れまい!」
トーボーズが飛び上がって、3連続ドロップを食らわせようとかかった。

だがエッチもその巨体を振りかざし、トーボーズにのしかかった。
そして敷地の端の方へと押しやった。

「お勉強済みよ、ひどく簡単な技だしね」

水素獣が言い、再びトーボーズに襲い掛かる。

「もうアナタからは大したエネルギーの取得は望めない。あっち行きなさい!」

「トーボーズ!危ない!」
ラコがトサッガーを繰り出し、水素獣の後頭部を切った。
のしかかるのを中断させたが、それは攻撃の対象が代わったことを示していた。

「ラコちゃん?アナタはアタシのペットにしようと思ってたから傷つけたくなかったけど・・・
 反抗する犬なんか要らないわ!消えなさい!」

エッチの両側の鰭が分離し、トサッガーのように切りかかる。
ラコのトサッガーが戻るより早くそれは襲い、ラコの体に刻んだ。

「こいつ・・・どんな技でも・・・」

戻ってきた鰭が再び襲おうとする。

「ラコ!」

ダイゴラスが、煙突を放り投げて鰭を相殺した。
鰭は失速したが、やがて水素獣の元へと戻っていった。

「すまね、ダイゴラス」
「ハヤク、トサカヲ」

「アナタみたいなタイプは好みじゃなくってよダイゴラス!でしゃばるのはお止めなさい!」
エッチはポーヒーと音を立てて2つの巨大な水素弾を吐き出す。

それはダイゴラスとラコを包んで大爆発した。


「このこのー、きもちわるいんだよー」
一方サイハタリも、水素獣の足を踏みまくっていた。

「何よ!アナタも大概じゃない!クソガキちゃんね!エリート教育が呆れるわ!」
エッチは大足を持ち上げて、サイハタリを踏み潰した。

「足拭きマットにイイわね」


「ママン、もう止してよ、ママン」
また浮上していたキュラドロスが、触覚を水素獣の足に絡ませ、持ち上げようとしていた。

「何よ、ママに逆らう気?ていうかアナタまだ生きてたの?そんなにオシオキが欲しけりゃ・・・」
エッチの顔が上下半分に分断した。
上半分は、キュラドロス同様にUFOの動きを披露する。

「あんなことまで・・・」

「パッチワークモンスターとは元々バラバラなもの。こんな風にしても不思議は無いでしょう?」

エッチは言いながら、キュラドロスと高速で飛び道具の撃ちあいをしていた。
だが弾の大きさでは圧倒的にエッチが上であり、キュラドロスを簡単に撃墜してしまった。

その時水素獣の下半身にはウオーが向かっていた。

「ウオオオオオオオオオオン!!」
大口を開いて、その足に噛り付く。
理性がある怪獣なら、とても噛み付きたがらない足だが。

噛み砕こうとしている間に、エッチが再び上下半身を合体させた。

「なかなか刺激的じゃないの。でもアタシのほうが・・・」
水素獣は足をウオーの口から引き抜くと、そのまま飛び上がった。

そしてウオーの頭上にのしかかり、開脚した。

「その身で感じなさい!力の差を!」

エッチは足でウオーの顔をはさむと、その巨大な頭を巨大な股で絞めるようにした。
それはいわゆる幸せ投げというより地獄そのものだった。


もうぐったりしたウオーの上に、爆弾が投げられて、エッチの頭が炎上する。

「熱ッ!!」

「やっぱオレの思った通りだ!さすがに火は効くだろう!」

ヒムラーが思ったも束の間、エッチの体からは水が噴出し、消火していた。
ウオーの能力だ。

「残念ね。ここまで読んでもらわないと」

「クソが・・・」

ヒムラーが自棄になって、爆弾をばら撒く。
それがエッチの足元を埋め尽くした頃、ヒムラーの皮膚がガバッと開き、ガスの噴出孔が露出した。
そして強力な引火ガスが放出され、爆弾の山へと向かう。

「やめろ、ヒムラー!」

ドイラーの制止もむなしく、大爆発は起こった。


そして水素フィールドの真ん中に大穴が開き、黒煙からヒムラーが逃れた頃、
彼の頭上にはまだ、エッチの姿が浮かんでいた。

「ひどいじゃない、阿多親地をこんなにしちゃうなんて。
 ・・・まあ構わないわ。すぐに戻しちゃうから」

エッチも、全身の毛穴から噴出孔を見せ、水素弾を撒き散らした。

それは水素フィールドを歪な形に直すと同時に、ヒムラーを中心に爆発を起こさせた。



宮殿の周りには、8体のパチモンがそれぞれ倒れこんでいた。

もはや水素獣エッチを止める者は、ここには居ない。

人間の機転で、1000mのバケモノを、道具なしで倒すのは、難しい。


「いいこと?
 エッチとはHydrogen<水素>のH。
 エッチとはHeaven<天国>のH。
 エッチとはHoly<聖>のH。
 エッチとはHope<希望>のH。
 エッチとはHyper<超>のH。
 エッチとはHuge<巨大>のH。
 エッチとはHigher<より高み>のH。
 エッチとはHeroine<英雄>のH。
 History,Home,Hour,Human,Hamburger,Humor,Heat,Hervest,Heal,Happy,Harmony!!
 アタシは全てのエッチをHave<所有>するの!!
 そうなればもはや、怪獣などというものにこだわる必要さえも超えた存在!!」

水素獣には後光が差していた。
そうしてパチモンたちは次第に体力を奪われていく。


「おいおい格好つけたのはいいが肝心なの忘れてるぜ。Heel<悪者>」
焦げた体を起こしながらラコが言った。

「HellにおちてHideしろよ」
ぺしゃんこのサイハタリも立ち上がった。

「あとはHEN☆TAIだ!!」
ヒムラーが叫んで、他のパチモン達も立ち上がった。


「あー最後の忘れてたわー」
水素獣が言っている間、トーボーズはうつむいてブツブツ言っていた。

「どうしたトーボーズ?」

「もうだめだぁ・・・おしまいだぁ・・・」

「オチツイテ、トーボーズサン」
ダイゴラスが肩を叩いた。


「俺、パチモンだし、強くないし、ここまで来て、騙されて手も足も出なくて情けなくて・・・
 本物の、ガ○ラみたいに強かったら、甲羅があったら・・・」
トーボーズは地上での過剰な自信を失っていた。


「そうか。よく聞きなトーボーズ!
 俺たちが、お前の甲羅になってやる!!だから・・・」

ラコが言ったのを聞いて、トーボーズが顔を上げた。
8体のパチモンたちはトーボーズの元に集まっていた。

「俺の、甲羅に・・・」



「一体なんのつもりよ、アナタたち?さっきの聞いてなかった?」


「ああ、よく聞いていたぞ、水素獣殿」
ドイラーがエッチを睨みあげた。

「さっき言ってたよなー?パチモンは元々バラバラだってさ?」
ヒムラーが爆弾を置いた。

「それでもおいらたちがこうして形を保てるなら、逆も然り・・・」
キュラドロスが胴体を切り離す。

「もう一度パチモンを作るまでさ!!」
サイハタリが肩をまわした。

「フォーメーション、オクタゴン!!」
ダイゴラスの目が輝いた。

「八体合体!!」

ラコがトーボーズの背に飛び乗り、同時にウオーが波で跳ね飛ばす。

そして八体のパチモンは波に乗り宙を舞い、その水に包まれた。

その中で、元のバラバラになったパチモンの体が渦巻き、新たな体を形成しようとしていた。

全てのパーツが重なり合い、頭、胴体、腕、足、尻尾を形作っていく。


そして包んでいた水球が弾けた後、そこにいたのは一体の巨大な怪獣であった。


「新合成パチモン怪獣、オクタゴン!!」



「あれは・・・!」

宮殿前から様子を見ていた道香が呟く。
その姿は、三年前にヘドロの軍勢を焼き払った「本物の怪獣」に酷似していたのだ。


「キーッ!水増ししてアタシと同じ大きさになるなんて!」

水素獣の怒っている目前に、オクタゴンはゆっくりと下りてきた。

「お前には正真正銘の地獄に堕ちてもらおう」
オクタゴンが、腕に光の刃を形成し、手の平を突き出した。

「堕としてみなさいよこのアタシを。
 合体したとは言え、アナタたちは息絶え絶え。
 その上、アタシがそのエネルギーを貰っていた訳だから、アタシの合計の力の方が上よ」

「単純計算ではな」

オクタゴンの刃が、エッチの片足を斬り飛ばした。


「な・・・結晶であるこのアタシを・・・いとも簡単に・・・」

「お前がどんなに強かろうと、脳も感覚も一つしかない。
 私たちは八身一体。全てが八倍だ!!」

「なぁにそれぇ」

言った瞬間の事、オクタゴンの手先が、エッチの顔のど真ん中を打ち抜き、めり込ませた。

「ふぐぐ・・・」

「ツッコミどころ満載なのがパチモンの強みなんだろ」

めり込んだ手は超音波と電撃を発し、直後に爆発を起こした。


「・・・・・・あ、あんたら、ただじゃおかない・・・」
エッチの顔面は、福笑いのように崩壊していた。

「私たちもただで済ますつもりはない。刺し違えてでもお前を倒す」
オクタゴンが構えた。

「へえ、自分達で分かってたのね。ガタが来てるって!」

水素獣は水素弾を連射した。
爆風でオクタゴンを跡形も無く吹き飛ばす作戦だ。
しかしこの状況の連弾は・・・

「確かに、この形を保つ力は大して残っていない。
 解ければ全身が散らばり、もう元には、戻れないだろう。
 だがお前に止めを刺すのには、充分だ!」

水蒸気の中から、オクタゴンが飛び出す。
そして、全身から光の剣を繰り出し、体を高速回転させた。

光の弾丸は、水素獣エッチへと特攻する!

「勝てると思わないで!アナタたちは勝っても、パチモンのままなんだからッ!!」


水素獣が飛び蹴りを放ち、オクタゴンの突進とぶつかり合う!

「私たちはパチモンだ!本物のパチモンだ!!」

「貫いてみなさいよパチモン!それを超えた存在に、アタシは!!」


一進一退の激しい鍔迫り合い。



だがそれはポンッといった爆発音から終わりを告げた。

エッチがつま先から爆発を起こしている。

「・・・アタシ・・・」

水素獣の足が爆発して水に変換された。

「感じろ水素獣エッチ!これが本物との力の差だ!!」


水素獣が破裂する。

直前、走馬灯が流れた。

「・・・美人なママン・・・変態なパーパ・・・アタシはパチモンで、よかったの・・・?」


それに伴い、水素フィールドは水素爆発を起こす。

全てが吹き飛び、宮殿も、地面も、木っ端微塵になった。



凄まじい爆風が地上にも吹きつけた。

避難していた町の人々が、空を見上げながら集まってくる。



彼らの目には、光の防御壁に包まれ、下降してくる巨大な怪獣の姿が映っていた。


「か、怪獣だー!逃げろー!」


人が散り散りに去った後、オクタゴンが海に着水し、港へと向かう。

そして巨大な手の平から、道香ら人間を降ろす。


「・・・よくやってくれた、パチモン達」
元首相が言う。

「怪獣に怪獣をぶつける。今回は大成功ですね」
海原が、オクタゴンに拍手を送った。

「ダイゴラス、そのお友達、お前達は、怪獣でありながらわしらを救ってくれた。
 お前達は正真正銘、本物のパチモンだ」
博士も拍手を送る。

「博士、これで、安心してコンビナートを復旧させて欲しい」
オクタゴンが博士に向けて言った。

「ああ、本当に、ジジ孝行な孫だよ、お前は・・・」


その様子を、少し離れて、道香が見ていた。

「ドイラー・・・」

「ミチカ・・・?」

「ドイラー?ドイラーの言葉なのね?分かってる、あたし達、話してるのね!」

「そうだ、ミチカ・・・・・・言っておかねばならぬことがあった・・・」

「え・・・?」

「拙者は、君のおにぎりがなくても、光合成で生きていく事が出来たのだ。苦労をかけて済まなかった」

「あ、そんなこと・・・」

「だがおにぎりは必要だった。おいしかったし、届ける君に会えたから」


「・・・ドイラー・・・・・・。
 ・・・なんでそんなこと、改まって言うの?
 これからはあたし達、一緒に暮らしていけるんでしょ・・・?」


「残念だが・・・・・・。

 どうやら、私たちはこの数日で力を使いすぎた。

 無理もない。私たちはパチモン。本物の怪獣のように振舞っていたら、命は尽きる。

 だから尽きる前に、合体した仲間を殺す前に、私たちは眠りにつこう。

 ”おやすみ”、道香・・・・・・」


オクタゴンは膝をつき、目を閉じる。
その体は少しずつ、色を失っていた。



「・・・・・・ドイラー・・・みんな・・・・・・・・・ありがとー!!」

涙を振り切って、道香は叫ぶ。


「また会おう、道香・・・博士・・・人間たち・・・!」


海には、8枚のブロマイド、トランプが浮かんでいた―。






それから半年。


またも二人の男がおでん屋に居た。

「おお、来たか海原君」

「しばらくぶりです、元首相」

「気にするな、私も忙しいから」

「忙しい?」

「私も、批判されてくたばった”元”首相のままじゃ終われないんだよ」

「そうですね。・・・元首相」

「何だね?」

「俺今度、大臣になります」

「まじか・・・」


所変わって、大悟第五コンビナート。

そこでは、ダイゴラスの、四分の一ほどのサイズに縮められたものが闊歩していた。


「ほらほら、頑張れ!そんなことじゃ、ご先祖のダイゴラスに追いつけないぞ!」

大悟博士改め総合責任者が、荷物を運ぶテツゴラスたちをしごいて言った。

「ムリデスヨ、ハカセ。ゴセンゾ サマ ハ、モット オオキカッタ ノデショウ?」

「ええーい、言い訳はいいわけ、追いつけるよう精進せい!」


「あんまり、いじめないであげてよねー?」
その様子を横目に、道香が言った。

そして、夕暮れの海に向きなおす。

海を見れば思い出す、楽しいことも嫌なことも。


そして胸のポケットから、一枚のブロマイドを取り出す。

「ドイラー・・・・・・」


ドイラーの絵柄の背景には、道香の暮らした町が写っていた。


「絶対、いつか、戻ってきてね・・・。」


海は、三年前より、その前よりもずっと、透き通り、輝いていた。




\ 完 /
スポンサーサイト
  1. 2011/06/11(土) 20:04:12|
  2. ぼくたちのどうしようもない妄想
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<カンフーマン門下生VSクローンコンセプトモデル | ホーム | パチモン怪獣大熱戦:第7話「ある夏の日のこと」>>

コメント

いいストーリーだった

まさかpatch works monsterまで伏線だったとは思いませんでした。
そしてテツゴラスの使い方にニヤリとwそう来たかw。

個人的には全編かなり楽しめるストーリーでした。
怪獣8体のキャラもしっかり立ってて、個性的で良かったと思います。
8話にもわたる長編お疲れ様です。
楽しませていただいてありがとうございました!
  1. 2011/06/12(日) 20:19:21 |
  2. URL |
  3. バリ音 #lyXC89mQ
  4. [ 編集 ]

一気に読みました

ううむ・・・これは・・・・・・
ドイラー君が主役を喰いましたねえ。
どことなく哀愁漂うエッチの最期が切ない...

オクタゴンはオリジナルですか??
検索したら卑猥な画像がやたらヒットしてs(ry ;
結構パチモンどころかオリジナル怪獣とも並べるくらいの良デザインの怪獣が思い浮かべられますね。
  1. 2011/06/18(土) 20:27:24 |
  2. URL |
  3. zektard #-
  4. [ 編集 ]

Re:返・信!

わざわざ読んでくれてどうもです。

>>バリ音さん
なんか合体させたくなったので(ry
続編のお話はどう考えても作れないだろうな・・・(何

>>zekさん
他の奴の戦う理由が薄いので必然的にドイラーが(ry
エッちゃんとかツッコミどころありすぎるので続編で余裕で復活しそうですw

オクタゴンは、8体の思い浮かべる本物の怪獣を合わせたような姿という設定です(何
トーボーズがガメラ、ドイラーがゴジラっぽい奴だとすると、まさに正統なパチモンになりますw

  1. 2011/06/27(月) 07:56:53 |
  2. URL |
  3. こぜに  #-
  4. [ 編集 ]

前記事に失礼します・・・!

どうも、前記事へのコメント失礼します!
・・・まさかこんな所にストーリーが連載されていたとは・・・!!

拝見させて頂きました!
いやぁ、熱い話でした!
そして、ドイラーが漢でした・・・!
あと、パチモン故の哀愁と、そしてパチモン故の笑いも感じられ、
これは名作だと思います!

そしてオクタゴン・・・!!
何という燃え展開!!
もし良ければ、ですが・・・続編の方での登場を祈っております・・・!!

いやぁ、良い物を見せて頂きました・・・!!

では!
  1. 2011/06/29(水) 13:38:52 |
  2. URL |
  3. 白翼冥竜 #BA2AGv02
  4. [ 編集 ]

秘技コメント返し

>>白翼冥竜さん
わざわざ読んでくれてどうもです。
そもそもパチモンでストーリーやるって必然的に迷作になりますわな(何
ドイラーと共に戦った仲間たちのことも忘れないでやってくださいw

オクタゴン自身の続編登場は難しいと思います。なぜなら8体は続投するから(え
ただ、何らかの形でそんな感じのを入れたい妄想はありますw
  1. 2011/07/06(水) 23:07:28 |
  2. URL |
  3. こぜに  #-
  4. [ 編集 ]

一話ずつ読みました

パチモン達が、こんなに熱く戦っていたと思うとすごいと思いました、ヒムラーは、やっぱり大好きです
いろいろな、性格も、面白かったです。
  1. 2011/08/09(火) 10:20:45 |
  2. URL |
  3. ふみ #-
  4. [ 編集 ]

8神合体・・・
動かないことに定評のあるあのロボットを連想

面白かったです
  1. 2011/08/25(木) 21:07:32 |
  2. URL |
  3. 謎の男 #-
  4. [ 編集 ]

キュラドロス

やっぱり、キュラドロスのほうがいいです。
  1. 2011/10/17(月) 15:53:11 |
  2. URL |
  3. ふみ #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mugenkozeni.blog100.fc2.com/tb.php/47-2c823707
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

こぜに

Author:こぜに
こぜにのMUGEN関連のブログ。
「パチモン軍団総進撃大決闘戦争池球最大の決戦 FINAL WARS」参加キャラクター募集中!

データのダウンロードはこちら

kozeni0505

カテゴリ

MUGEN全般 (9)
自作キャラ関連 (36)
スクリーンショット (4)
パチモンFW攻略本 (4)
駄文 (7)
未分類 (13)
ぼくたちのどうしようもない妄想・目次 (1)
ぼくたちのどうしようもない妄想 (8)
わしらのどうにもとまらない妄想 (0)
スッポンサー広告 (1)
ブンド道 (3)
フィギュア:スポーン (6)
フィギュア:アメコミ系 (1)
フィギュア:洋画系 (4)
フィギュア:特撮 (4)
フィギュア:その他 (2)
激ヤバ即ゲット (1)

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

とぃってr

TweetsWind

リンク

このブログをリンクに追加する

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

最新トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。